食品衛生法改正によりHACCP(ハサップ)の導入義務化!「危害要因」と分析方法を解説
食品衛生法が2018年6月に改正されたことにより、すべての食品等事業者は「HACCP(ハサップ)」導入に取り組まなければなりません。改正から数年以内にハサップを導入しなければならず、その際には「危害要因」について理解しておくことが必要です。
そこで、リテール業界の方が押さえておきたいハサップの危害要因について解説します。
危害要因とは
「危害要因」とは、原材料の仕入れから製造、出荷に至るまでのすべての工程において発生しうる、食品汚染の危険性を予測したものです。
汚染された食品等による被害は、その多くが消費者(利用者)への健康被害というかたちであらわれます。製造や梱包の段階で異物や化学薬品の混入など、様々な汚染被害に発展する可能性も考えられるのです。
食品衛生上の危害要因は、大きく分けて以下の3つに分類されます。
- 生物的危害要因:病原細菌やウイルス、寄生虫など
- 化学的危害要因:添加物規格に適合しない食品添加物やカビ毒等生物由来物質
- 物理的危害要因:小動物や昆虫等の死骸や金属片などの異物混入
食品等の製造過程において、どの工程でどの危害要因が発生しやすいのかは異なります。リテールハサップ導入の際は、製造工程や原材料ごとに危害要因となりえるものを列挙して危険性を検討、その防止措置として何が必要なのかを分析する必要があります。
危害要因(ハザード)の分析方法
ハサップ導入による危害要因(ハザード)の分析は、以下のプロセスを経て実施されます。
- 原材料および製造工程における潜在的なハザードを明らかにする
- それぞれのハザードに対する管理方法を明らかにする
まずは「原材料および製造工程における潜在的なハザードを明らかにする」ことです。起こりやすさや、ハザード発生時の健康被害の程度について、この段階で明らかにしておきます。
例えば食品の加工(製造)においては、原材料となる野菜や肉などの食材に、原材料に由来する病原微生物が存在しています。また、加工の段階で調理器具や機械類からの汚染、および温度管理の不徹底による病原微生物の増殖のリスクも考えられます。そのため、「それぞれのハザードに対する管理方法を明らかにする」ことが必要です。
前述のとおり、食品加工においてはその原材料の確保から加工完了段階まで、様々なリスクを抱えています。しかしながら、加工のための調理機器や機械等からの汚染等については、機器の洗浄や温度管理の徹底により、ハザード発生のリスクを抑えることが出来ます。それぞれのハザードごとにリスクを抑えるための管理方法がありますので、作業手順をマニュアル化して、全従業員が高い水準でこれを実施出来るようにする必要があるというわけです。
こうした危害要因の分析は、管理責任者や工程責任者などがチームを編成して行う必要があります。また、管理方法の分析については慣習に基づいた根拠のないものではなく、科学的な根拠に基づくものである必要があります。
マニュアル化した管理方法は、実施以降に問題が発生した場合には再度の分析を行い、改良を重ねることも重要です。
ハサップ導入に際して、危害要因となるものを把握し、分析することの重要性を解説しました。ハサップに関する知識・ノウハウがまだまだ不足していると感じていましたら、一般社団法人特化エキスパート推進協議会までお気軽にお問い合わせ下さい。
リテールハサップについての情報収集と提供、調査・相談・指導などによりハサップ導入を支援いたします。
食品衛生法の改正について
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